RPAを活用したエクセル集計業務の自動化事例を紹介!
営業部門・経理部門・生産部門など多くの部門で、定型レポート作成のために毎月エクセルで集計している企業は多いのではないでしょうか?集計自体は単純作業ですが、複数のシステムやファイルサーバーからデータを集めては加工を繰り返して、ようやくレポートを完成させていると思います。このような単純作業は多く埋没しており、担当者の心的疲労や長時間労働の温床となっていることも多いようです。 このような単純作業は、RPA導入がもたらす効果として働き方改革、効率化・省力化によるコスト削減などが期待できます。しかし、単なる作業の自動化だけでは、期待する効果を得られないだけでなく、運用上支障をきたすこともあります。 今回ご紹介する事例は、ロボット開発の失敗で得た学びを活かし、大きな効果をあげたRPA導入・ロボット開発の事例です。
RPA導入・ロボット開発プロジェクトの概要
毎月末に各部門にて締められた売上・プロジェクトごとの支払・人件費・間接費などをもとに、総務部門が売上・利益集計と採算データを2人日かけて作成している作業をロボット化することになりました。
- ■ 対象部門:IT受託開発企業 総務部門
- ■ 対象作業:部門毎、プロジェクト毎
- ・ 売上、利益集計作業
- ・ 採算データ作成作業
- ■ 頻度:毎月1回(売上確定後3営業日以内)
- ■ 工数:2人日
- ■ データ元:エクセルで管理しているファイル
- ・ 管理会計システムから出力したCSVファイル
- ■ ファイル数:23ファイル/100シート
プロジェクトの失敗と要因
事例にある集計作業の自動化がうまくいかなかった要因は、一言でいうと手作業のすべてを単純にロボットに置き換えようとしたことにあります。集計作業に使用するエクセルファイルはあまりにも数が多く、作業の手順も多いためすぐにロボットがエラーを起こしたり、メンテナンス性が非常に低いものとなってしまいました。
- 作業目的を含めて俯瞰的に調査せずに、ロボット化したこと
- 作業の必要性を吟味しなかったこと
- データを可視化し、手順を簡素化しなかったこと
失敗から学んだRPA導入・ロボット開発成功のポイント
失敗から得た大きな学びは、システム構築と同様に、ロボットを開発する前にしっかりと調査を行い、そもそも業務目的の必要性を含めた作業自体の俯瞰的な調査でした。業務目的に必要なデータを明確にし、収集・集計を効率的に行うための運用を検討すると、必然的に今まで行ってきた作業の廃止・統合が行えるため、開発するロボットがシンプルになります。
売上・利益集計、採算データ作成ロボットの概要
集計に必要なファイルや手順、出力するレポートデータごとにロボットを開発するのではなく、集計に必要なデータを集約する中間DB(採算DB)と必要なデータマートを別途開発することで、ロボットの動きがシンプルになりメンテナンス性が大幅に向上しました。
RPA導入事例に関するまとめ
RPAに限らずIT全般において、導入すれば大きな効果が得られると思われがちですが、万能のツールではありません。どのようなシステムの導入や開発にも必要な事前調査(目的・業務の可視化と整理・スコープの決定・運用やメンテナンス性など)は、RPAにも同様に重要な工程になります。以下の記事にも費用対効果について記載しておりますので是非ご覧ください。
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