DXにおけるIT企画力を身につける方法

企画でつまずくとDXは失敗する -DX企画人材の育成-

DXは企業にとって避けて通れない重要な経営課題であり、多くの企業が様々な取り組みをしています。しかし、多くの企業がデジタル人材の不足に頭を抱えており、なかでもDXやデジタルビジネスの企画・立案を担うビジネスデザイナーや、DXのアイデアを具体化するIT企画を推進する人材の不足は、大きな課題となっています。

この記事では、IT企画の「進め方や考え方」「陥りやすい失敗」「IT企画力を身につける方法」について、分かりやすく解説します。

IT企画とは?

IT企画とは、デジタル技術の活用による業務改革を推進するための計画を立てることです。具体的には、業務・ニーズ分析を通じて業務課題・ビジネス課題を洗い出し、経営方針・経営戦略・経営メリットを意識しつつ、実現可能なデジタル・IT化計画に落とし込むことです。

IT企画とは

IT企画の位置づけ

デジタル・IT化の際最初に実施すべき企画フェーズは、開発方式を問わず重要な工程です。そして、IT企画フェーズのアウトプットが、DXプロジェクトの成否を分かつと言っても過言ではありません。

IT企画の位置づけ

IT企画フェーズが大事な理由

DXは「デジタル・IT化を“手段”としたビジネスモデルや製品・サービスの変革」が目的であって、AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用することが目的ではありません。

システム開発やツール導入のプロジェクトは、一度始まると費用やスケジュール上の制約から手戻りしづらくなります。すぐにシステム開発やツール導入に着手するのではなく、以下のステップを踏むことが重要です。 まずはDXの目的を明確にし、その次に目的達成のために解決すべき課題を洗い出し、それら課題に対する具体的な改善・改革の方向性を見出しておくことが重要です。

  • DXの目的を明確にする
  • 目的達成のために解決すべき課題を洗い出す
  • 課題に対する具体的な改善・改革の方向性を見出す

IT企画フェーズで陥りやすい問題

DXプロジェクトを含むシステム開発プロジェクトの6~8割が、QCDを予定通り完了できず失敗しています。そして、プロジェクトの規模が拡大するにつれて、失敗する割合が増加傾向にあります。失敗要因のおよそ半数が、計画時の考慮不足です。※1つまり、失敗するDXプロジェクトは、IT企画フェーズに問題があると言えます。そこで、IT企画フェーズで陥りやすい問題をいくつかご紹介します。

※1 参考:JUAS「企業IT動向調査報告書 2023」 7.1 システム開発における工期・予算・品質


デジタル技術の導入が目的になっている

デジタル技術は道具(手段)に過ぎないにもかかわらず、デジタルツール導入ありきの計画を立案すると、「解決すべき課題を解決できない」「業務に活用できない」ツール導入やシステム開発となる可能性を高めます。

現場部門の協力が得られない

IT企画の段階からDX推進部門と現場部門との密なコミュニケーションが必要不可欠です。しかし、変革に対する抵抗感や、DXのビジョン・目的に対する理解を示さないなど、現場部門の当事者意識と参画意識が低いとDXプロジェクトは頓挫する傾向にあります。

社内情報の集約ができず、現状把握ができないまま計画をたてる

IT企画フェーズでは多くの部門や担当者を巻き込み、IT化の計画を立案します。しかし、現場部門との目標観・シナリオ合意がないまま、現場担当者へのヒアリングや調査・分析に着手してしまうと、「課題が明確にならない」「総花的になり、収拾がつかない」状態に陥ります。その結果、現状把握・計画が曖昧となります。

実現可能性を考慮しないIT計画をたてる

技術的な実現可能性や運用効率の考慮が不十分な場合、「開発・導入フェーズの頓挫」「導入したシステムやツールが有用性・効果性を発揮できない」「業務効率が悪化する」「運用担当者の負担が増える」ことにつながります。

経営者の正しい理解と明確なビジョンがない

DXによって「実現したいこと」「目指す姿」「達成したい目標」などのビジョンを明確な言葉として定義し、従業員一人ひとりに浸透させることが非常に重要です。しかし、DXを推進する企業の中には、同業他社の導入事例を模倣すれば成功すると考える経営者は少なくありません。そのような場合、以下の理由でプロジェクトの頓挫や無駄な投資につながることがあります。

  • 従業員の変革意識が希薄なことからDXがうまく進まない
  • 部分的なデジタル化となり、限定的な効果に留まってしまう
  • 導入したツールが業務に合わず、従業員の業務負担が増えてしまう

IT企画の進め方

IT企画フェーズでは、まずDXの目的や達成目標を明確にし、目的達成のための解決すべき課題を洗い出し、次に解決すべき度合いの高い課題に対して具体的な改善改革の方向性を見出すことが重要です。

勘と経験に頼るのではなく、フレームを活用することでIT企画を効果的に進めることができます。さらに、フレームを活用することでDX推進部門と現場部門との共通言語となり、共通認識を得やすくなる効果も期待できます。

具体的な進め方について、弊社独自のIT企画手法「CANVAS-SA🄬」を用いてご紹介します。


STEP1:背景確認・共有化
新しい情報システムを構想するに至った背景を確認し、共有化する。

STEP2:現状調査・分析
対象業務および現行システムを調査・分析し、業務構造・現場認識の実態を把握する。

STEP3:現状診断
問題点・ニーズを評価し、対象範囲、改善・改革および解決の方向性を明らかにする。

STEP4:新システム課題統合
新システムの課題(業務課題)および目的を設定し、システム・コンセプトへの統合を行う。また、意思決定者に中間報告をし、承認を得る。

STEP5:ジョブ・アーキテクチャ
新システム導入後の新業務のあり方(ビジネス・プロセス)について検討する。

STEP6:システム・アーキテクチャ
新業務の流れに基づいてシステム化の実現可能性と適合性を追求する。

STEP7:開発マスタプラン策定
新システムの開発方針を策定し、期待効果および開発コストを見積もる。

STEP8:新システム構想 報告と承認
意思決定者にシステム構想を取りまとめて報告しシステム開発の承認を得る。

IT企画を成功させるポイント

IT企画フェーズでは多くの部門や担当者を巻き込み、IT化の計画を立案します。しかし、現場部門との目標観・シナリオ合意がないまま、現場担当者へのヒアリングや調査・分析に着手してしまうと、「課題が明確にならない」「総花的になり、収拾がつかない」状態に陥ります。その結果、現状把握・計画が曖昧となります。

  • 何のためにどこまでの効果を出すのか、関係者一同でベクトルを合わせる
  • すぐに情報システムの検討に入ってはならない、まず業務ありきを考える
  • IT活用の適合性と実現性を診断する
  • 経営・業務・IT、各部門が当事者意識をもって参画する
  • 情報システムの経営と業務への適合、および効果と費用の関係を追及する

引用: リンプレスブログ「システム開発の上流工程を成功させるポイントとは?」

IT企画力を身につける方法

IT企画は業務・人中心のアプローチで、経営目標や戦略に沿った計画を立てることが重要です。そのためには、デジタルテクノロジーの知識だけでなく、経営的な視点と自社のビジネス・業務に関する知識をバランスよく保有しておく必要があります。

IT企画力を身につける方法はいくつかありますが、書籍・動画、OJTを通じて学習することができます。その場合、IT企画の流れや手順を理解することはできても、実践の場で活用できるようになるまでには相当の時間を要します。基礎となる知識や押さえるべきポイントを体系的に学ぶことのできる研修を利用することで、効率的にIT企画力を身につけることができます。さらに、学習したこと(=インプット)を実務で経験すること(=アウトプット)で、より高い学習効果と定着が見込めますが、実務経験の場が少ない場合は実践やワークショップを伴う研修を利用することで高い学習効果が期待できます。

DX人材育成事業を手掛ける㈱リンプレス(リンクレアグループ)では、仮想テーマをもとにIT企画の一連の流れが学べる実践・体験型のIT企画研修を提供しています。研修では、前述のDXにおけるIT企画フレーム「CANVAS-SA🄬」に沿って、ワークショップ形式で業務課題の洗い出しや改善改革の方向性を導き出していきます。

まとめ

DXプロジェクトを成功させるには、IT企画フェーズでDXの目的・達成すべき目標・課題を明確にすることの重要性と効果的な進め方をご紹介しました。

  • 経営者のDXに対する正しい理解とビジョンの浸透が重要。
  • 失敗するDXプロジェクトの大半は、IT企画フェーズに問題がある。
  • フレームを活用することで、IT企画を効果的に進めることができる。
  • 研修の利用と実務経験を積むことで、IT企画力が身につく。

ダウンロード資料では、IT企画フレーム「CANVAS-SA🄬」の概要、IT企画研修導入事例を ご紹介していますので、是非ご参考にしてください。

出典:リンプレスHP:IT企画研修
出典:リンプレスブログ:システム開発の上流工程を成功させるポイントとは?
出典:リンプレスブログ:【開催レポート】実践・体験型IT企画研修「STUD-SA®」無料説明会

ダウンロード資料一部公開


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肝月 英利

肝月 英利

株式会社リンクレア
マーケティング統括本部 デジタルマーケティング室 室長

22年間、営業マンとして多数の新規顧客を開拓。
お客様の課題に寄り添い、課題解決のヒントにつながるような情報を発信しています。

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