失敗しないデータ活用の「プロジェクトの進め方」とは?チェックリスト30項目

失敗しないデータ活用の「プロジェクトの進め方」とは?チェックリスト30項目

データ活用プロジェクトのつまずきポイントとは?知っているようで知らない「プロジェクトが頓挫したきっかけ」をご紹介。 「データ活用プロジェクトが失敗しやすい理由」については、弊社ウェビナーでも解説していますが、ご紹介した理由以外にもプロジェクト推進を阻む理由は数多く存在します。本記事では、データ活用プロジェクトにおける「つまずきポイント」と「推進する上で必要な観点」についてお伝えします。

データ活用プロジェクト 「現状チェックリスト30項目」


データ活用プロジェクトの実態

データ活用は日本国内でも盛んに行われており、「業務プロセス改善」や「新規ビジネス創造」を担うなど、企業経営に欠かせないものとなっています。 しかし、いざデータ活用に取り組んでも、すぐに「価値ある示唆」や「施策につながる分析結果」が得られるケースは、さほど多くはありません。精度の高い分析結果を得るには、長期に渡る分析・改善が必要になります。

他にもある!データ活用プロジェクトのつまずきポイント(+対策例)

データ活用プロジェクトでつまずくポイントは、弊社ウェビナーでご紹介したもの以外にも多くあります。その例をいくつかご紹介します。

①そもそも、データ活用が必須だと思われていない

つまずきポイント

データ活用プロジェクトでつまずく原因のひとつに、「そもそもデータ活用が必須だと思われていないこと」が挙げられます。データ活用は、法改正対応のように必須対応案件ではありません。さらに「導入してもすぐに効果が出るとは限らない」となれば、経営層は「優先度が低い」と判断し、緊急性の高い案件を優先的に承認するケースもあるでしょう。

 

また、データ活用プロジェクトの効果がある程度認められ、システム導入の稟議段階となった場合でも、高額な導入費用を理由に、改めて必要性を問われ「PoC止まり(概念実証を終えた後、プロジェクト中断)になってしまった」という話もよく聞かれます。

対策例

「最終的な稟議が下りない」ということにならぬよう、データ活用の必要性やメリットについて、経営層が十分理解していることが非常に重要です。 必要性やメリットを理解してもらう上で「データ活用の成功事例があること」は大きなポイントです。実際に効果を目にすることで、具体的な議論も進みやすくなりますし、その効果が多くの関係者に必要とされる場合は、予算取得の後押しにもなるでしょう。

PoC(概念実証)の結果や、時には他社事例を交えながら、データ活用の有用性について繰返し理解を求めることが大切です。 また、経営層に向けて、定期的にプロジェクトの経過報告をしておくことも、円滑なプロジェクト推進には重要でしょう。導入の費用観を含め、今後の展望についても随時相談を進めておきましょう。

②現場の理解が得られない

つまずきポイント

経営の理解は得られても「現場の理解が得られない」と頭を抱えるプロジェクト担当者も多くいらっしゃいます。 データ活用に反対する現場担当者の中には「何のためにデータを収集・提供するのか?その結果どう変わるのかが見えない」「プロジェクトへの協力で、業務負荷が増すのではないか?」「慣れ親しんだ業務の在り方になんらかの指摘が入り、変化を余儀なくされるのではないか?」など、さまざまな疑問や不安を抱える方もいらっしゃいます。

このように、データ活用賛成派だけでなく、さまざまな事情や心理を抱える現場担当者と、協力体制を築き、プロジェクトを推進していく必要があります。

対策例

現場担当者の理解を得るには「データ活用が現場にもたらすメリットや見通し」を伝えることが必要です。また、現場担当者と相談しながら「現場担当者が納得して協力できる、データ活用のテーマ」を設定することが重要です。 現場担当者のなかには、変化を苦手とする方も多く、データ活用に対してさまざまな不安や疑念を抱いている方もいます。

そうした心理的負担を和らげる意味でも「スモールスタートを提案する」など、データ活用の範囲を限定してスタートさせることは効果的です。現場担当者との関係性を築きながら、小さな成功事例を積み重ね、データ活用のメリットを実感してもらうことが、現場担当者の理解を得る近道です。

③期待する分析結果が得られないことがある

つまずきポイント

データ活用プロジェクトは、試行錯誤を繰り返して分析精度を上げていくため、一定の期間を要します。分析後に「業務プロセス改善や新規ビジネス創造に繋がるような分析結果」が得られる可能性がある一方で、どれだけ分析精度の向上を試みても、期待する分析結果が得られない場合もあります。「想定の予算や期間を超えて分析を重ねたにも関わらず…」といったケースもあるでしょう。「新たな発見」を期待して投資や協力に応じてきた経営層や現場担当者からすれば、納得しがたい状況となることも考えられます。

対策例

データ活用プロジェクトは、どれだけ分析を進めても「期待する分析結果が得られない」場合があります。そうした状況も起こり得るものとして、投資や協力を得ることが重要です。そのためにはまず、プロジェクト担当者自身が、データ活用プロジェクトのメリット・デメリットの両方を十分に理解することが不可欠です。 また、期待する分析結果が得られない事態を防ぐために、「プレ検証」と「PoC(概念実証)」の両方を実施しておくことも大切です。「分析結果や効果の見通しを立てた上で、本格的な分析に移行する」という段階を踏むことがポイントになります。

さらに「期間内や予算内に、期待する効果が得られなかった場合にどうするか」など、プロジェクト状況が芳しくない場合の対応策について、あらかじめ決めておくことも有効でしょう。外部のデータサイエンティストやベンダーの知見を借りて立て直しを図るケースもあれば、プロジェクトの一時中断や方針転換が必要な場合もあります。どうしても見通しの立たない部分が出てしまいやすいプロジェクトだからこそ、事前にプロジェクトを見直すポイントを作っておくことも大切です。プロジェクトによっては「期待する結果が得られないかもしれない」と判断した時点で、その後の方針について、関係者との調整を図っていくことも必要でしょう。

④会社の期待や注目があるにも関わらず、複数名体制や専任体制が整いにくい

つまずきポイント

データ活用プロジェクトは、企業経営において「新たな試み」として位置付けられることも多く、企画立案から上申、推進までをすべて1人(もしくは少数)の担当者が担っているケースが多く見受けられます。また「DX推進担当」として、データ活用だけでなく、さまざまな分野の導入・改善を兼務されている方も多いでしょう。

一方で、新たな試みとして「会社の期待や注目」もあることから、プロジェクト担当者として「失敗できない」「絶対に成功し続けなければならない」といったお声もよく耳にします。プロジェクト開始に向けた具体的な一歩を踏み出せないまま、何年も事例収集を続けるなど「長らく情報収集し続けている」方も多いのが現状です。

対策例

プロジェクトの成功には、他者の協力が欠かせません。経営層や現場担当者の理解を得ながら、小さな成功を積み重ね、徐々に規模や体制を拡大させていくことが大切です。 また、誰も経験したことのないプロジェクトであるからこそ「データ活用プロジェクトの推進に詳しい有識者の知見や見解」を得ることも必要です。随時課題が発生する状況のなかで、少人数でもプロジェクトを成功させるには、豊富なプロジェクト経験から得られる知見を元に、最も効果的と思われる対策を打っていくことが重要です。信頼できる相談相手として、データサイエンティストやベンダーの協力が得られる体制をつくっておくことも大切なポイントです。

さらに「期間内や予算内に、期待する効果が得られなかった場合にどうするか」など、プロジェクト状況が芳しくない場合の対応策について、あらかじめ決めておくことも有効でしょう。データサイエンティストやベンダーの知見を借りて立て直しを図るケースもあれば、プロジェクトの一時中断や方針転換が必要な場合もあります。どうしても見通しの立たない部分が出てしまいやすいプロジェクトだからこそ、事前にプロジェクトを見直すポイントを作っておくことも大切です。プロジェクトによっては「期待する結果が得られないかもしれない」と判断した時点で、その後の方針について、関係者との調整を図っていくことも必要でしょう。

上記のように、データ活用プロジェクトは、通常のITプロジェクトに比べ、阻害要因が多くあります。この他にも「知識・技術不足」「データ活用人材不足」「長期化しやすいプロジェクトの推進計画・体制維持・予算取得」等々、さまざまな問題が山積しています。

データ活用プロジェクトを成功させるには?

「データ活用プロジェクトを成功させるポイント」として、一般的には以下の3点が挙げられています。

  • 社内の理解を得る(経営層・現場担当者の理解)
  • 社内外の体制を整える(専任担当設置、人材育成、協力体制確保)
  • 十分なプロジェクト期間と予算を設定する(長期的な分析)

たしかにこれらは重要なポイントではありますが、これほど恵まれた環境でプロジェクトを開始できることは少ないでしょう。 また「プロジェクトを成功させるため」に他社事例をどれほど集めたとしても、「自社と全く同じ状況の事例」を見つけることは難しく、「事例の通りに推進すれば、必ず成功する」といった保証もありません。

データ活用プロジェクトを成功させるために大事なことは、恵まれたプロジェクト環境や、自社の状況に合致する事例がない状況であっても「必ずプロジェクトを成功させる」「成功させる方法を考える」という強い覚悟を持って取り組むことです。 随時発生する問題にも都度対処していきながら(折り合いを付けながら)、できるだけ納得度の高い状態でプロジェクトを推進していくことが、成功の鍵となります。

納得度高く、データ活用プロジェクトを推進していくには?

では、納得度が高い状態でデータ活用プロジェクトを推進するために必要なこととは、なんでしょうか。

データ活用プロジェクトの全体像を把握する

まずは、データ活用プロジェクトの基本的な流れ(ステップ)を理解することです。
プロジェクト担当者として、プロジェクトの一連の流れや内容を理解した上で、全体のタスクを洗い出すことが重要です。関係者の調整や、必要に応じて説明会や勉強会の企画、稟議申請など、必要事項を書き出しておきましょう。



プロジェクト担当者として、プロジェクトの一連の流れや内容を理解した上で、全体のタスクを洗い出すことが重要です。関係者の調整や、必要に応じて説明会や勉強会の企画、稟議申請など、必要事項を書き出しておきましょう。

プロジェクトのつまずきポイントを知って、転ばぬ先の杖にする

「通常のシステム投資や計画と同じ」と思っていると、思わぬところでつまずいてしまうのがデータ活用プロジェクトです。先に示したような「データ活用プロジェクトにおけるつまずきポイント」を事前に把握し、対策を練っておくことが重要です。
(※データ活用プロジェクト【現状チェックリスト30項目】をページ下部にてダウンロードできます。ぜひご活用ください)

また、企業が抱える課題や社内事情はさまざまです。「経営層の理解」が課題となっている企業と、「経営層による強力なバックアップ」がある企業とでは、対策方法やその後の戦略が大きく異なります。自社の状況を十分に理解しないことには、対策すべき項目を見極めることはできません。

自社が対策すべき項目を見極めた上で「対策が急務なものはどれか」「他部門の協力が必要なものはどれか」「対策に時間を要するものはどれか」「データサイエンティスト等、外部の協力が必要なものはどれか」等を踏まえ、優先順位をつけて取り組むと良いでしょう。

期間と予算を決めてトライする

実際にやってみないと効果の有無が分からないのが、データ活用プロジェクトの特徴です。失敗が許されないと思い込み、二の足を踏んでしまう担当者の方も多くいらっしゃいますが、まずは「期間と予算決めてトライすること(その環境を整えること)」です。また、プロジェクトにおいて、一定の期間と予算を与えられている場合こそ「小さく始め、成功事例を積み重ねていくこと」が肝心です。

課題解決の選択肢を持ち、最良の選択肢を選ぶ

経験に乏しいプロジェクトだからこそ、外部から課題解決のヒントや選択肢を得ることは重要です。自身の経験則だけでなく、さまざまな知見から得た情報も参考にしつつ、自社にとって最も効果的と思われる対策を打っていくことが大切です。

まとめ

本記事では、データ活用プロジェクトのつまずきポイントと、プロジェクトを推進する上で必要な観点について解説してきました。データ活用プロジェクトを成功させるためには、まずはプロジェクトのつまずきポイントを知り、自社の現状を整理・点検してみることが重要です。すべてに対処することはできなくとも、懸念事項が事前に整理できていることや、いつでも有識者に相談できる状態にあることは、プロジェクト成功への鍵となります。

プロジェクト推進について、具体的な行動レベルまで落としきれていないという方は是非、データ活用プロジェクト【現状チェックリスト 30項目】を活用ください。プロジェクトの現状チェックや課題発掘、トラブルの予防策に役立てていただければ幸いです。

データ活用プロジェクト【現状チェックリスト30項目】

このような方にオススメ

  • データ活用プロジェクトの推進にお悩みの方
  • プロジェクトの現状チェックや見直しを行いたい方
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まつくら みな

まつくらみな

株式会社リンクレア
マーケティング統括本部 デジタルマーケティング室

10年間営業を経験したのち、デジタルマーケティング室へ異動。 お客様にとって「おもしろい情報」をお届けできるよう、心がけています。

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