ビジネスで使えるデータ活用を実現する3つのステップ
ガートナージャパン「国内企業におけるデータ活用の取り組み状況に関する調査結果」によりますと、回答を得た750社のうちデータ利活用ができていると答えた企業の割合は56%でしたが、十分な効果を得ている企業はそのうちのわずか3%でした。
※出典:ガートナー (ITデマンド・リサーチ)/調査:2018年11月
はじめに
経営層からの唐突なAI導入、ビッグデータを活用した経営の可視化やイノベーションを求められ、困惑しているご担当者から多くのご相談を受けます。本ページでは、効果的なデータ活用のアプローチ方法をご紹介させていただきます。
- 「AIをつかってなにかできないか?」と言われたけど、そもそも何がしたいのか?
- 他社がやっているような社内データとSNSのデータをうまく使って新しいサービスを検討するよう言われたが何からどのようにすればいいのか?
また、すでにBIツールを導入したが定型帳票出力だけにとどまっていて、経営状態の可視化や経営判断・意思決定するためのデータ活用のご相談を多くいただきます。ヒアリングをさせていただくと以下のような原因であることが多いです。
- 目的や目標が明確になっていない
- 目的に必要なデータが取得できていない
- データマネジメントサイクルが構築されていない
- 適切な仮説立案と検証ができる人材が不足している
いきなりツールありきの導入作業を行わない
データ活用には適用する範囲や目的によって、それぞれ異なったテクノロジー、スキルとアーキテクチャがあります。しかし、効果的なデータ活用ができていないケースの多くは、ツール導入が目的となってしまい、本来の目的の追求やそのために必要なデータの調査・整備が不十分なまま、ツールを導入し運用していることが多いです。
※ダウンロード資料抜粋
背景・目的の確認(すぐに導入作業を行わない)
データ活用をする上で一番大事なのが「背景・目的」を明確化して、共有することです。自社のデータを活用するにしてもそれを用いて何をゴールとするかが明確でないと総花的になってしまい、ひたすら時間・コストがかかってしまいます。まずは、旗印を立てることが大事です。
BI(ビジネスインテリジェンス)
BI(ビジネスインテリジェンス)とは社内の基幹系システムや各部門の個別システムに蓄積されたデータを、収集・統合、集計・可視化することで、経営判断や意思決定を支援することです。言いかえれば、実績データにもとづき状況を可視化し課題解決の意思決定を支援する情報活用を可能にするのがBI(ビジネスインテリジェンス)です。この段階できちんとデータの整備及び連携、またはそのデータが本当に活用すべきデータか等を吟味した上ではじめてBIツールにおけるデータ分析が可能になります。 この段階ではデータを取得後のアクションや意思決定は経営者の勘と経験で行うケースが多いのが現状です。
BA(ビジネスアナリティクス)
BA(ビジネスアナリティクス)は、データから問題を汲み取り、未来予測を行った上で最適なアクションを示唆します。BIによって得た情報をもとに未来予測を行い、次に起こすアクションが提示されることで、意思決定にかかる時間は大幅に削減されます。また、勘や経験だけでは予測できないことを、データからルールを見出し、新しい価値を生み出してくれます。この段階ではBIで活用したデータそのものを統計解析し、データマイニングを用いて要因分析・予測など高度な分析をすることを指します。またモデル構築・検証を繰り返すことで精度を上げることで経営資源の一端を担うことができます。一方でこの段階まで来てしまうとデータサイエンティストといった高度な専門家を要することになり、その部分でハードルが高くなってしまいます。
AI(知識処理・最適化)
アルゴリズムを構築しつつ、既存のデータから傾向を導き出します。BAとAI(Artificial Intelligence)に共通していることは、どちらも膨大なデータを処理し、分析を行うことですが、最大の違いは、意思決定を人間が行うのか、機械が行うのかということです。ここを行うには膨大なコストや時間がかかってしまうこと、専門人員が必要なことが大きな課題として挙げられることから、PoC(概念実証)などを用いたスモールスタートで実績を積んでいくことを推奨しています。
まとめ
データ活用基盤の導入は、目的や目標があいまいになりやすく費用対効果もあいまいになりがちです。だからこそ一番最初に旗印をしっかりと立て、一歩一歩着実に進めていくことが非常に大事になります。また、データドリブンを成功させるためには専門人材の育成も必要になります。下記関連記事ではそういったAI人材の育成についてを紹介しておりますので是非ご覧ください。
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