ローコード・ノーコードプラットフォームを最大限活用する5つのポイント
ローコードやノーコードの上手な活用方法とは?国内のローコードやノーコードのプラットフォーム導入率は約4割とも言われ、急拡大が続いています。
開発コストが抑えられる反面、要件の充足が難しいとされるローコード・ノーコード。最大限活用するための5つのポイントについて、本記事でご紹介します。
ローコード・ノーコード開発市場の現状
テレビCMでも「ローコード」「ノーコード」という言葉が当たり前に使われる時代。IDC Japanではローコード・ノーコードプラットフォームを「アプリケーション開発におけるコーディングを最小限に抑え(あるいはコーディングせずに)、ドラッグ&ドロップによるビジュアルモデリングによってデータ、ロジック、フロー、UIなどを定義しながらアプリケーションを開発し、運用ができる環境を提供するソフトウェア製品またはクラウドサービス」と定義しています。
「ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2022」によると、ローコードおよびノーコード開発市場の2020年度の売上金額は前年度比24.3%増の515億8000万円。2022年から2025年にかけて、売上規模は2倍になると予測されており、ローコードやノーコード開発に対する注目は益々高まりを見せています。
このトレンドは、システム開発のスタイルが次のステップに進みつつあることを示しています。これまではスクラッチ開発(フルオーダー型)が、システム開発の主流でした。しかし、昨今の著しいIT技術の進展に伴い、システムの実装可能範囲が大幅に拡大した結果、フルオーダー型開発は膨大なコストと時間を要するようになりました。そうした課題に対応するため、開発工数削減に向けたアプリケーションの部品化や開発ツール拡充の必要性が高まっており、これこそがローコード・ノーコードが急速に拡大した背景と言えます。
一方で、ローコードやノーコードの導入によって開発コストが抑えられるものの、開発ツールの制約等により、要件に対する自由度は下がってしまうというデメリットも存在します。これは住宅建設業界においても同様で、フルオーダー型の住宅に対し、セミオーダー型や規格型の住宅は、パターン化や建材指定などにより費用が抑えられる代わりに、要件の自由度が下がってしまうのとよく似ています。
要件を定義するユーザーがこの性質をよく理解した上で開発を推進することで、ローコード・ノーコードのメリットをうまく享受できる第一歩と言えるでしょう。
ローコード・ノーコードプラットフォームをうまく活用するポイント
加速度的に導入企業が増加傾向にあるローコード・ノーコードプラットフォームですが、 恩恵を最大限に享受するためには以下のポイントを押さえることが重要です。
①選択したローコード・ノーコードの特性を関係者で認識する
冒頭で述べた通り、ローコード・ノーコードを選択したということは、セミオーダー商品を選択したようなものです。個社特有の複雑な機能にこだわるあまり、予算超過や開発期間の延長を招いてしまっては、ローコード・ノーコードのメリットを活かせなくなります。極力「共通部品を活用する」ことによって要求事項を実現するよう、ユーザーおよび開発者が協力して仕様を決めていくことが重要です。
②プラットフォームの特性に、要件を合わせていく工夫を
想定外の工数増加を発生させないためには、選択したプラットフォームの特性に要件を合わせる工夫も必要です。選択したプラットフォームの「要件に対する実現可能性」や「実現できない場合の代替案」などについて、ユーザーおよび開発者にてよく議論しておくことが重要です。両者がツールの特性を理解し認識を合わせておけば、手戻りを最小限に抑えた開発を行うことが可能となります。もし、定義した要件に対する実現可能性があまりにも低いようであれば、プラットフォーム自体や実現方法自体を見直す判断も必要かもしれません。
③早いタイミングでイメージ合わせを
ローコード・ノーコードの大きなメリットの一つは、製造スピードの速さです。モックにおいても短期間で製造できるため、要件定義の段階でモックを作成し、実際に画面の動きを見ながら仕様を確認することができます。特に独自性の強い機能については、早めのモック作成によって実現可能性を確認しておくことが重要です。早い段階で仕様確認を行うことで、認識齟齬の早期検出と対策が可能になるため、開発プロジェクトのリスク低減につながります。
④小さく始めて、大きく育てる
ローコード・ノーコードのもう一つメリットは、メンテナンス性の高さです。比較的容易にシステム改修ができるため、初期開発時は最低限の機能に絞ってリリースし、運用しながら拡充・拡張するスモールスタートは、有効活用の一つと言えます。ローコード・ノーコード開発を選択する目的の一つは開発コストの削減です。初期開発から多くの機能を求めず、本当に必要な機能をできる範囲で開発していくプロジェクトコントロールも重要な要素の一つです。
⑤ローコード・ノーコード開発には、専門知識が必要なことも忘れずに
ローコードやノーコードプラットフォームを活用したシステム開発においても、多少の専門知識は必要です。 まず、各製品における制約事項を把握しておく必要があります。効率的な開発を可能にする手法は製品ごとに異なるため、開発に着手する前に押さえておくべきでしょう。
また、ローコードプラットフォームは、簡易スクリプトを記述することで柔軟な開発が可能ですが、コーディングの知識も必要となります。 さらに、大半のプラットフォームはデータモデル設計までは自動化されていません。データモデル設計が適切に行われていない場合、アプリ開発の難易度が上がり、コストが膨らむ可能性もあります。スモールスタートであっても、開発の初期段階でデータモデルをしっかりと設計しておくことが肝要です。
まとめ
ビジネス環境の変化に対する即応が求められる昨今、ローコード・ノーコードプラットフォームの導入企業が加速度的に増加しています。プラットフォームのメリットを最大限に活かすポイントは、製品の特性に合わせた開発を行うことです。ローコードやノーコードの開発プラットフォームは、いずれの製品も万能ではありません。導入を検討している対象業務の内容、プラットフォームの特性、そして開発担当者の知識や開発レベルの適合性を十分に考慮することが重要です。
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