RPAのメリット・デメリット 効果的な導入のポイントとは?
RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、あらかじめ用意されたデータの登録・転記、Webサイトからの情報収集、メール送信やデータチェックなどの定型業務の効率化や生産性向上を実現するテクノロジーとして注目を集めています。しかし、RPAは万能ツールではありません。本ページではRPAとは何か、メリット・デメリット、効果的なRPA導入のポイントを紹介します。
多くのシステムやツールで、複雑な業務になっていませんか?
基幹システム以外に、現場で作成されたExcelマクロ、Webアプリ、クラウドサービスなど多くのシステムやツールを活用して業務を行うことが増えました。個々の利便性は向上していますが、システム間連携ができないことが多く、多重入力や集計ファイルへの転記・入力などで膨大な時間を浪費していませんか。
- 基幹システムからデータをダウンロードし、Excelへコピペして集計している
- 複数のExcelファイルを集計して、関係者へメールを送信している
- Googleカレンダーを目視で確認し、タスク管理表に転記している
APIによるシステム間連携ができない場合、連携ツールの開発やETLツールの導入などが必要となり、想定以上の費用で見送りになったということもあるのではないでしょうか。そういった場合、RPAを使えば比較的安価にこの問題が解消できるかもしれません。
RPAとは
RPAはパソコンで行う定型業務のプロセスを、自動化する技術を指します。物理的な実体を持つ訳ではありませんが、さも人の代わりにオペレーションをしてくれるように見えることからロボットに例えられ、デジタルレイバーとも呼ばれています。RPAを活用することにより、データの入出力やファイル加工、メール送信等の様々な操作を、人の手を介さずに行うことができるようになります。
RPA導入のメリット
- 作業時間が短縮できる
人が手作業で行うよりも圧倒的に早い。リードタイムの短縮と生産性が向上する。
- 正確!ミスが無い
RPAは定義された処理通りに動作するため、ミスが発生しない。業務品質が向上する。
- 疲れない・辞めない
不平不満を言わず24時間365日稼働する。
- 人の手を介さずに業務(操作)を行える
情報漏洩と改ざんを防止する。
- 短期間・低コストで業務を自動化できる
既存システムの改修が不要。短期間で効果を出しやすい。
RPA導入のデメリット
- ロボットに実行させる業務を詳細に定義する必要がある
・業務遂行に必要な手順や条件を詳細に定義しておく必要がある。
・逆に定義された手順や条件以外の業務はできない。 - ロボットは自律的な学習や判断ができない
・業務を勝手に覚えてくれるわけではない。
・エラーが発生した時の回避策を事前に定義しておく必要がある。 - ルール化できない複雑な業務は、ロボットには向いていない
ルール化されていない非定型業務は、人の判断を必要とすることが多くロボット化できない。
- ロボットが操作するシステムに改修があると、ロボットも改修する必要がある
ロボットが操作するシステムのレイアウト変更や仕様変更があった場合、ロボットを改修しないと止まってしまうことがある。
- 業務のブラックボックス化
作成したロボットをドキュメント化しておかないと、ロボット管理者の異動や退職によって業務がブラックボックス化してしまう。
システム開発とRPAの違い
これまで手作業で行っていた業務のシステム化には、要件定義、設計、プログラミング、テストなど多くの工程を踏むため、導入までに多くの時間と費用が必要となります。 一方、RPAはロボットが操作する手順やルールを定義するだけで、システムの改修が不要。そのため、導入までの期間が短く、開発コストを抑えることが可能です。
対象業務の見極め
RPAは手順やルールが明確な定型業務に向いています。その中でもIT部門が把握しきれない「現場の業務担当者が把握する業務」は、比較的RPAに最適な業務であることが多いです。ただし、定型業務であっても経費精算などの承認ワークフローは、コンプライアンス遵守の観点からロボット化すべきではありません。とはいえ、不測の事態への対応や指示された業務以外のことは行えないRPAの特徴を考えると、非定型業務はRPAに適していません。
費用対効果
RPAはシステム開発と比べると比較的安価にロボットを開発することができます。しかし、ロボット開発、ライセンス、インフラの環境構築・維持、保守・運用等に必要なトータルコストに対し、削減が見込めるコストを試算した上で導入の判断をすることが重要です。RPAの費用対効果の試算方法について、本サイト別ページにまとめていますのでご覧ください。
管理者を明確にしておく
RPAの活用が進むことで、多くのロボットが社内で稼働することになります。特に業務部門でロボットを開発した場合、開発者の異動や退職によって管理者不在の「野良ロボット」が生まれることがよくあります。「野良ロボット」の改修は困難な場合が多く、操作するシステム変更によってロボットが止まり、「野良ロボット」の存在に気付くことがしばしばあります。このようなロボットの停止による業務リスクを最小限に抑えるためには、管理体制を明確にしておく必要があります。
まとめ
「ロボット」というイメージから、何でもやってくれると誤解されがちな「RPA」は、定義された作業を忠実に再現することしかできません。しかし、繰り返し行っている単純な定型業務には大きな効果を生み出す可能性があります。RPAの特徴を理解し、効果の高い業務をよく見極めて使っていくことが重要です。効果的なRPA導入のステップについては、資料にまとめましたのでご参考にしてください。
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