RPAの費用対効果についてどう考える?今すぐ導入効果を試算!

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RPAの費用対効果についてどう考える?今すぐ導入効果を試算!

RPAの「費用対効果の算出方法」と「導入効果に対する考え方」についてご紹介します。 RPAを最大限活用するために、導入前後において、費用対効果を具体的に試算してみてはいかがでしょうか。RPAの導入を検討している方だけでなく、導入後の継続利用について迷われている方にも、ぜひご一読頂きたい内容です。

今すぐ試算できる「費用対効果試算シート」


国内企業におけるRPAの導入実態

「RPA国内利用動向調査 2021」によると、年商50億円以上の大手・中堅企業のRPA導入率は37%(2021年1月時点)となっており、効果を実感した企業を中心に、さらに活用を本格化させていく傾向にあります。対して、年商50億円未満の企業の導入率は現在10%に留まっていますが、安価なRPAの普及や、「DX投資促進税制」により、導入はさらに加速していくと予想されています。また、自治体の導入率は67%に達しており、今後もデジタル庁の動きと連動し、更なる広がりを見せていくことが予想されています。(参考:株式会社MM総研)

  2021年1月時点の導入率 2022年度末時点の導入率予測
年商50億円以上の大手・中堅企業 37% 50%
年商50億円未満の企業 10% 28%

参考:株式会社MM総研 「RPA国内利用動向調査 2021」

こうしたRPA活用の機運が高まる一方で「RPAを導入してみたものの、思ったような効果が得られず、今後の継続可否を考えている」という声もよく耳にするようになりました。RPAは、休みなく仕事をしてくれる優秀なロボットとして、沢山の恩恵をもたらしてくれるツールですが、うまく活用しきれないまま、導入失敗に陥ってしまうケースも少なからず存在します。その原因は何なのでしょうか。

RPA導入の失敗理由① ~費用対効果への過度な期待~

RPA導入の失敗の多くは「費用対効果に対する過度な期待」と「自動化する業務の見極め不足」の2点にあると言えます。「RPAの費用対効果」を考える上で、「費用」にあたる導入コストは、ツールライセンス費用だけでなく、様々なものが含まれます。

RPA導入時の主なコスト
①RPAツールライセンス費
②専用端末等、インフラ整備費
③外部ベンダーのITサポート費(RPA化する業務の選定/開発サポート)
④従業員の人件費(RPAの教育 + 開発)
⑤保守・運用費

実際には「開発担当者のITスキル」や「外部ベンダーからどこまでサポートを受けるのか」「RPAのツールは何を選択するのか」、開発にあたっての教育は「YouTube等の無料動画を選択するのか」「マンツーマンの指導を受けるのか」等々、自社のリソースや個々の状況によって、費用は大きく異なります。 「当初想定していたよりも、追加で多くの費用が掛かってしまった」ということにならぬよう、可能な限り具体的に費用をイメージしておくことが肝要です。のちに費用対効果を算出する際にも、より精緻な数値を導き出すことが可能になります。 「RPAの費用対効果」の定義や算出方法はいくつか存在しますが、ここでは 「RPAの導入によって削減できる人件費」+「クリエイティブな業務に集中できる時間(+発生する収益・効果)」を「効果」として定義します。 この効果についても、曖昧で抽象的なイメージをお持ちの方が多い項目です。自社の試験導入の結果や、他社の成功事例から「導入すれば一定の効果は得られそうだ。その後の展開も期待できるはず。」と楽観的に考える企業様ほど、導入失敗に陥りやすいと言えます。RPAの費用対効果について「過度な期待をせず、具体的に考慮する」とはどういうことでしょうか。

RPAの「費用対効果」を試算してみる

例として、RPA導入の大まかなスケジュールを立て、費用対効果を試算してみます。 ここでは「1ライセンス 60万円/年間」 のRPAツールライセンスを購入し、「1~2名が開発にあたった場合(1人あたり月20時間稼働)」の費用対効果を算出します。 開発担当者は、IT知識・業務知識 共に豊富で、RPAに関する学習はYouTube等の無料動画にて十分対応できるものとします。 (1ロボットは40時間で作成し、1ロボットあたり10時間の負荷削減効果があると仮定)

上記のスケジュールを元に、費用対効果の損益分岐をグラフに示すと以下のようになります。

※損益分岐の算出にあたっては、費用対効果をより具体的にシミュレーションするための「費用対効果 試算シート(Excel)」を、当ページ下部にてダウンロード可能です。ご興味のある方はぜひご活用ください。 実際に試算してみると、費用対効果を出すためには、一定の期間とコストを伴うことが分かります。 裏を返せば「一定期間、開発担当者の時間を割くことができそうか」「自動化したい業務は、一定量存在するのか」等、長期的かつ具体的な検討が必要だと言えます。 あくまで導入効果を計る目安としての試算ではありますが、ぜひPoCの段階で検討して頂きたい内容です。より精緻なコストや効果を導き出したい場合は、ダウンロード資料「費用対効果 試算シート(Excel)」の各項目をさらに細分化して試算してみても良いでしょう。できるだけ具体化し、シミュレーションを行ってみることが重要です。

RPA導入の失敗理由② ~対象業務の見極め~

RPA導入を成功へ導くためには、RPAで自動化する業務の見極めも重要です。業務の選定にあたっては、各部門の業務を十分に洗い出し、「繰返し型の定型業務」を選定を選定する等、いくつかのポイントがあります。(詳細については、次の記事のダウンロード資料の21ページ以降で触れています。)

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業務の選定を誤ると、開発期間・工数の増加や、保守・運用費の増加も懸念されます。開発実績の豊富なベンダーの知見を借りて対象業務の選定を行うことも、RPAの効果を十分に発揮させる方法のひとつです。また、自動化すべき業務が一定量存在するかどうか(費用対効果を得るには一定の期間が必要となる)についても、予め考慮しておく必要があります。

RPAの「導入効果」とは?~費用対効果以外の効果~

RPAの導入効果は、ミスの削減や人件費の削減といった定量的なものだけではありません。導入に成功している多くの企業が「精神面の負担が減ること」を挙げており、定性的な効果も導入効果において重要な要素と言えます。負担が減り、生産性が向上することは、時間に代えがたい大きな効果です。

 RPAの定性的な導入効果(例)
①社員のストレス軽減 作業時間の短縮・ミスの削減による心理的負担の軽減
②セキュリティ対策の向上 人を介さないことにより人為的ミスの削減
③残業、人材不足の解消 作業時間の短縮・採用や研修の負担減
④コア業務への集中 作業時間の短縮による副次効果
⑤創造性のある業務の創出 モチベーションの向上
⑥業務の棚卸ができる ロボット化の対象業務選定の副次効果

上記のように、副次的な定性効果も加味した上で、導入効果を検討することをお勧めします

まとめ ~導入前後で費用対効果を算出し、対策を打つ~

適切な導入ができれば、RPAは非常に有益なツールです。コロナ禍、超少子高齢化、働き方改革など、様々な問題が山積する現代において、企業の強い味方になり得るでしょう。 導入にあたっては「事例の多い経理業務から始めてみる」「まずは1つロボットを作ってみてから考える」といったポジティブなアプローチだけでなく、費用対効果の試算を行い、自社に合った利用形態について十分考慮することで、RPAの価値や効果を最大限高めておくことをお勧めします。

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  • RPAの費用対効果をシミュレーションしてみたい方
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まつくら みな

まつくらみな

株式会社リンクレア
マーケティング統括本部 デジタルマーケティング室

10年間営業を経験したのち、デジタルマーケティング室へ異動。 お客様にとって「おもしろい情報」をお届けできるよう、心がけています。

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